今後の景観施策の方向性については、東京における長期的な都市づくりのビジョンに即して検討する必要があります。また、都市計画のマスタープランとなる「都市計画区域の整備、開発及び保全の方針」で明らかにした地域像を実現できるよう、具体的な取組を示すことが重要です。
都は、平成13年10月に「東京の新しい都市づくりビジョン(以下「都市づくりビジョン」という。)」を策定し、50年先の東京のあるべき姿を示した上で、東京が目指す都市づくりの目標を「世界をリードする魅力とにぎわいのある国際都市東京の創造」と定めています。この目標のもとに、今後の都市づくりが実現すべき主要な政策課題が示されています。そのうち、景観形成に係るものは、以下のとおりです。
都市づくりビジョンを受けて、都は、平成16年4月に法定の都市計画マスタープランとなる「都市計画区域の整備、開発及び保全の方針」を策定しました。この中で、「都市景観の形成に関する方針」を明らかにしています。
都は、都市づくりビジョンや都市計画マスタープランで示された、都市づくりの目標を実現していくために、今後どのように景観行政を進めていくべきかを具体的に示していく必要があります。
東京における景観づくりを総合的、計画的に推進するため、都は、平成6年3月に「東京都都市景観マスタープラン(以下「景観マスタープラン」という。)」を策定しました。
景観マスタープランでは、施策の対象を「市街地だけでなく、山地、丘陵地、田園地帯、島しょ等も含めた東京都全域の景観である」としています。
そして、自然、文化、土地利用等の東京の景観特性をもとにして、以下の「景観形成の3つの目標」を掲げています。
自然をとりもどす
歴史と文化を伝える
多様な魅力を発展させる
さらに、東京全体から見て、河川や崖線など景観構造の主要な骨組みとなる11の軸状の空間を「景観基本軸」として示しています。
景観マスタープランの目標や、景観施策の対象、骨格となる景観基本軸などは、都や区市町村の景観施策の基本となる考え方となっています。
【景観基本軸設定図】