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都市づくり政策

東京都景観審議会答申の概要


平成18年2月14日
都市整備局

【これまでの景観行政の取組と課題】

1 景観条例に基づく取組と課題

  • 届出制度による景観づくり
  • 公共事業による景観づくり
  • 歴史的建造物の選定と歴史的景観の保全

 これら3つの主要な施策は、東京の景観づくりに対して先導的な役割を担ってきました。それぞれの施策には一定の成果がみられるものの、施策の目的が必ずしも十分に達成されてきたとは言えません。今後は、施策の内容や進め方を再検討し、景観誘導の実効性を強化していく必要があります。

2 新たに対応が必要な課題

  • 都市再生と景観づくり
  • 観光まちづくりとの連携
  • 屋外広告物規制との連携
  • 景観法の活用

 このような新たな課題や、社会経済情勢の変化に的確に対応し、東京全体として良好な景観形成を進めていくために、都は引き続き広域的な視点に立ち、東京における景観施策を牽引していくことが重要です。

【今後の主要な政策課題】

 今後の景観づくりを進めていく上で、重点化すべき事項を4つの政策課題として示します。

  1. 市街地の更新に合わせ、都市機能の強化や国際競争力の向上とともに、美しい景観を備えた都市空間を形成する。
  2. 江戸時代以来蓄積されてきた歴史的・文化的資源を保存し、観光の視点も踏まえた活用を図り、うるおいとにぎわいのある都市を実現する。
  3. 丘陵や崖線の緑地、河川や臨海部の水辺など、東京を特徴づけている自然環境を尊重・活用し、地域の個性や多様な魅力を発揮する。
  4. 公共施設の整備に合わせ、都民や事業者、区市町村などによる地域のまちづくり活動を促進し、地域特性に配慮した街並みを形成する。

【今後の施策の方向性】(「二重丸」の項目については、具体的な取組を例示しています)

 今後の主要な政策課題を踏まえ、具体的に取り組むべき4つの施策分野を提言し、それぞれについて取り組むべき施策の方向性を示します。

1 美しさと風格を備えた都市空間の形成

二重丸首都東京を代表する建造物の眺望の保全

  • 国会議事堂や神宮外苑絵画館などとその周辺地域を対象
  • 眺望地点や景観への配慮が必要な区域を設定
  • 建築物の高さ、色彩、屋外広告物の表示など景観への配慮基準を設定し、都市計画の策定や建築基準法に基づく許可の考え方に反映

二重丸総合設計制度などの活用による景観誘導

  • 建築物の色彩、屋外広告物の表示などについて配慮基準を設定し、都市計画の策定や建築基準法に基づく許可の考え方に反映
  • 総合設計制度については、用途地域・容積率の指定状況に応じて建築物の高さの目安となる基準を設定
  • 施策の実施に際しては、十分に事前周知

丸大規模プロジェクトにおける景観配慮

丸首都高速道路の更新等に合わせた日本橋川の再生

2 歴史・文化の継承と観光資源としての活用

二重丸都市計画制度等を活用した近代洋風建築の保存・復元

  • 全体保存とともに部分保存を促し支援する考え方を導入
  • 部分保存の評価基準を策定し、都市計画の策定や建築基準法に基づく許可の考え方に反映
  • 保存を積極的に図るとともに、失われた建造物の復元も誘導

二重丸文化財庭園等の周辺の景観誘導

  • 庭園の周囲において配慮を求める区域とデザインや色彩などの配慮基準を設定
  • 庭園内に鑑賞上重要な眺望地点を設定
  • 眺望地点からの見え方について、配慮基準への適合を要請
  • 清澄庭園や新宿御苑などにおいてモデル的な取組を実施、将来的には区市に対し同様の取組を促す

丸都選定歴史的建造物の保存支援の強化

丸歴史的な建造物等に関する普及啓発と利活用の促進

3 景観の骨格となる緑や水辺の保全・再生

二重丸水辺空間を意識した景観誘導
 (海上の眺望地点を中心とした景観の形成)

  • 臨海地域において、都民意見等を踏まえ、橋梁、海上公園などに眺望地点を設定
  • 地元の取組と連携し、色彩や配置計画、屋外広告物の表示などの配慮基準を設定
  • 大規模な開発については、眺望地点からの景観配慮を要請

二重丸小笠原の地域振興と自然景観の保全

  • 世界自然遺産登録を見据え、都と村により地域づくりの基本的方向を検討
  • 公共施設のデザイン、沿道建築物の高さ、色彩などのルールを検討し、自然や街並みと調和した景観を誘導

丸水と緑のネットワーク形成

丸景観基本軸に基づく景観誘導の強化

丸具体的な区域が指定されていない景観基本軸を対象とした施策の検討

4 公共事業等と連携した地域の景観づくり

二重丸公共事業に合わせた地域の景観づくり
(都市計画道路整備に合わせた沿道景観づくり)

  • 幹線道路の整備に合わせ沿道のまちづくりが見込まれる地域を対象に、建築物の高さや色彩、屋外広告物の表示など、まちづくりのルールづくりを働きかけ
  • 屋外広告物条例の活用などを通じて、地域住民が主体となった取組を支援
  • 地区計画などの都市計画などを促し、まちづくりのルールの担保を図り、道路空間と一体となった沿道の景観づくりを誘導

二重丸公共サインや屋外広告物などにおける景観配慮
(公共サインの指針づくりによる統一感のある景観の誘導)

  • 公共サインのデザイン統一や分かりやすさについて検討し、指針として取りまとめ
  • 指針を活用し、統一感のある公共サインの設置を促進
  • 都の観光施策として重要な地区をモデル事業の対象として、地域特性を踏まえた統一感のある公共サインを整備、誘導し、良好な景観形成を実現

丸公共事業の景観づくり指針の積極的な活用

丸大規模構造物における景観配慮

丸電線類地中化の推進

【施策の具体化に向けた体制づくり】

1 都の役割と区市町村との連携

  • 景観づくりにおける都の役割
  • 東京全体としての施策の整合性
  • 景観法の活用に関する区市町村との調整
  • 景観条例の改正

2 地域の景観づくりに対する支援

  • 区市町村と連携した景観保全の強化
  • 農のある風景の保全
  • 富士山への眺望の保全
  • 地域ルール等による屋外広告物の誘導
  • 建築協定と合わせた地区計画等の活用

3 都庁内の推進体制

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