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民有地の緑の保全・創出

(1) 「緑確保の総合的な方針」による民有地の緑の保全

 「緑確保の総合的な方針」は、減少傾向にある民有地の緑の保全やあらゆる都市空間への緑化推進等を、計画的に推進していくことを主な目的として、平成22年に都と区市町村(島しょを除く。)が合同で策定した。5年間で目標の約8割の約243haを確保した進捗状況を踏まえ、平成28年3月に更なる緑の保全を進める139か所・約133haの確保地を追加した。この方針に基づいて、緑確保の取組を進めている。

ア 既存の緑を守る方針

 「緑確保の総合的な方針」では、既存の緑を守る方針として、立地などの緑の特性を理解するため、東京の緑を山地、丘陵地、崖線などの系統に分類し、民有地の緑を基本に平成31年度までに確保する箇所及び面積を水準ごとにリスト化し図面に記載・公表している。

イ 先導的な取組

 「緑確保の総合的な方針」では、様々な取組を提案している。

(ア) 崖線の緑の保全
 崖線の緑は、都市の緑のネットワークや地域の景観形成上、重要な役割を担っており、行政界を越えて、一体的に保全する必要がある。
 このため、都では多摩川由来の崖線をモデルとし、関係市と「多摩川由来の崖線の緑を保全する協議会」を設置し、崖線の緑の保全に向けた検討を進め、「崖線の緑を保全するためのガイドライン」を平成24年に策定し、それに基づき区市町村と連携して、普及啓発とともに東京の緑の骨格である崖線の緑の保全や活用を推進している。

(イ) 特別緑地保全地区の指定推進
 屋敷林や崖線など都市の緑地を保全する特別緑地保全地区について、平成22年度から土地の買取費用の一部を区市町村に補助する制度等により、指定の推進を図っている。

(ウ) 民間基金と連携した緑地保全
 「緑確保の総合的な方針」の趣旨に賛同する(一財)セブン-イレブン記念財団と「東京の緑を守ろうプロジェクト」に関する協定を平成27年に更新し、市民による緑の保全活動等を支援している。

(エ) 「農の風景育成地区」制度
 東京の農地は、食料生産の場だけでなく、潤いのある風景の形成や、災害時の避難の場としても役立つ貴重なオープンスペースであり、多面的な機能を有している。
 このため都は、減少しつつある農地をオープンスペースとして保全し、農のある風景を将来に引き継ぐ「農の風景育成地区制度」を平成23年に創設した。この制度では、農地や屋敷林などが比較的まとまって残る地区を指定し、散在する農地を一体の都市計画公園などとして計画決定するなど都市計画制度を積極的に活用することとしている。平成25年に世田谷区で第1号、平成27年6月に練馬区で第2号を指定した。

(オ) 界わい緑化推進プログラム
 (公財)東京都公園協会との間で締結した「界わい緑化推進プログラム」に関する協定(平成27年3月更新)に基づき、地域の緑化を契機とした良好なまちづくりの推進を図ることを目的として、緑化の専門家の派遣や緑化助成等の一部について一定期間支援を行うなど、区市町村の取組の後押しを図っている。

(2) 地域制緑地

 地域制緑地は、都市計画法第8条第1項第7号、第12号及び第14号に掲げる地域地区として計画され、それぞれの根拠法により緑の保全等が行われている。

ア 風致地区

 風致地区は、自然的景観を維持するため、都市における風致の特に優れた区域を指定するもので、大正15年に明治神宮内外苑付近風致地区を指定して以来、平成28年4月1日現在、区部では多摩川風致地区など14か所・2,674ha、多摩地域では霞丘陵風致地区など14か所・897.52ha、合計28か所・3,571.52haが指定されている。なお、行為規制の許可については各区市等で所管している。

イ 特別緑地保全地区

 特別緑地保全地区は、都市緑地法に基づく制度で、都市において良好な自然的環境を形成している緑地を指定し、良好な都市環境の形成を図ることを目的に、建築物及び工作物の新増改築、土地の形質の変更、木竹の伐採等について、現状凍結的な制限を課している一方、行為の不許可に対する土地所有者からの土地の買取請求に対して区市町村等に取得義務が生じる制度である。
 平成26年度には北烏山九丁目屋敷林(世田谷区)、西新井栄町(足立区)、成瀬かしの木山(町田市)、百草小峰谷戸(日野市)の4地区・2.71haが新規指定され、山崎(町田市)で0.8ha追加指定された。
 平成28年4月1日現在、東京都内の特別緑地保全地区は45地区・284.66haとなっている。なお、行為規制の許可については各区市等で所管している。

ウ 生産緑地地区

 三大都市圏の特定市(東京都の場合、23区と26市)の市街化区域内の農地等(農地、採草放牧地、森林及び池沼)を、宅地化の促進を図る農地等(いわゆる宅地化農地)と、今後とも保全する農地等とに二分し、後者については、生産緑地法に基づき生産緑地地区に指定し、良好な都市環境の形成を図ることとした。生産緑地地区に指定されると、所有者には、農地等としての適正な管理が義務付けられる。
 他方、権利救済として、指定後30年経過後又は農業等の継続が不可能な場合(主たる従事者の死亡及び故障)には、区市町村長に対し、当該生産緑地の買取り申出を行うことができ、区市町村長は、特別な事情がない限り買い取ることとされている。
 平成28年4月1日現在、東京都内の生産緑地地区は11,492か所・3,240.2haとなっている。