賃貸住宅紛争防止条例の平成16年10月1日施行にあわせて作成した『賃貸住宅トラブル防止ガイドライン』について、このたび改訂版を作成しました。「ガイドライン」では、賃貸住宅のトラブルを防止するために知ってもらいたい、退去時の復旧や入居中の修繕に関する費用負担の原則や、契約や住まい方で注意すべきことについて説明しています。
条例で義務付けている説明の意味や内容、また国土交通省が発行した『原状回復をめぐるトラブルとガイドライン』などについて、よりよく理解してもらうための内容になっています。
|
東京都『賃貸住宅トラブル防止ガイドライン』販売中!
編集・発行:東京都都市整備局住宅政策推進部不動産業課
発売:株式会社 住宅新報社
定価:390円(本体362円+税8%)
※(株)住宅新報社へのお申込みは10冊以上でお願いします。(別途送料が必要)
※1,000冊以上の一括申込の場合は、割引があります。
問合せ:(株)住宅新報社 (新聞企画部) TEL 03−6403−7809(直)
主な取扱書店:三省堂書店(都庁店、本店)、丸善(丸の内本店)、リブロ(池袋本店)、紀伊国屋書店(新宿本店)、オリオン書房(立川ルミネ店)、八重洲ブックセンター(本店)、ジュンク堂(池袋本店) |
1 トラブル相談の現状・・・本文 P.1
・東京に居住する世帯の4割近くにあたる約220万世帯が、民間賃貸住宅に居住しています。人口の流動性の高い大都市東京では、民間賃貸住宅は重要な位置を占めており、東京都には「契約」や「退去時の敷金精算」、「管理」について、様々な相談が寄せられています。

2 賃貸住宅紛争防止条例・・・本文 P.1
・本条例では、次の点について、宅地建物取引業者が借主に書面を交付し、契約の前に説明することを義務付けています。
(1) 退去時の原状回復・入居中の修繕の費用負担の原則
(2) 実際の契約の中で借主の負担としている具体的内容
(3) 修繕及び維持管理等に関する連絡先
・条例施行規則第2条第3項に基づく「説明を適正に行うために必要な事項」
・・・・・・・・・・・・・・・・具体的な説明内容
| 参考 |
・賃貸住宅紛争防止条例に基づく説明書(モデル)
宅地建物取引業者が実際に説明を行い、書面として交付するためのモデル
|
・条例に基づく説明を聞き、原則としての費用負担の考え方と契約上の費用負担の内容を比較し、その相違の有無や内容を十分理解したうえで契約することが重要です。
1 退去時の復旧・・・本文 P.6
(1) 建物価値の減少の考え方
・退去時の原状回復について考える際に、退去するまでの間に建物価値がどれくらい減少したか、どうして減少したかを整理することが重要です。ガイドラインでは貸主と借主の費用負担について、次のように整理しています。
(ア) 貸主の費用負担
・賃貸住宅の契約においては、経年変化及び通常の使用による損耗・キズ等の修繕費は、家賃に含まれているとされており、貸主が費用を負担するのが原則です。
| ※例えば・・・ |
壁に貼ったポスターや絵画の跡、家具の設置によるカーペットのへこみ、日照等による畳やクロスの変色
|
(イ) 借主の費用負担
・借主の責任によって生じた、または故障や不具合を放置したことにより発生・拡大した汚れやキズについては、借主が負担するのが原則です。
| ※例えば・・・ |
タバコによる畳の焼け焦げ、引越し作業で生じた引っかきキズ、借主が結露を放置したために拡大したシミやカビ
|

(2) 「原状回復」とは
・借主に義務として課されている「原状回復」とは、退去の際に、借主の故意・過失や善管注意義務違反、その他通常の使用方法に反する使用など、借主の責任によって生じた住宅の損耗やキズ等を復旧することです。
(3) 善管注意義務(善良なる管理者の注意義務)とは
・民法第400条によれば、他人のものを借りている場合、借主は契約してから契約終了時に物件を貸主に明け渡すまでの間は、相当の注意を払って物件を使用、管理しなければならないとされています。これを「善管注意義務(善良なる管理者としての注意義務)」といいます。
(4) 経過年数の考え方
・借主は、故意・過失、善管注意義務違反などによる損耗等で、借主の負担で原状回復すべきとされている場合でも、全額を負担しなければならないわけではありません。このような破損部分も経年変化・通常損耗をしており、その分の経費は貸主の負担とするのが原則です。
(5) 借主の負担割合
・原状回復の費用の負担は、破損部分の補修工事に必要な施工の最小単位に限定されます。
| ※例えば・・・ |
壁(クロス)は、原則m2単位。経過年数を考慮し負担割合を算定します。
畳は原則1枚単位。ただし、経過年数は考慮しません。
|
(6) 特約
・貸主と借主の合意により、原則と異なる特約を定めることができます。これは、民法では「契約自由の原則」が基本とされているため、契約内容は、原則として当事者間で自由に決めることができることによります。ただし、通常の原状回復義務を超えた負担を借主に課す特約は、内容によっては無効とされることがあります。
| 参考 |
・都の相談窓口に寄せられた相談事例を紹介
・負担区分の例(部屋別の図解、一覧表)
|
2 入居中の修繕・・・本文 P.20
(1) 貸主の義務と借主の費用負担
・貸主には、借主がその住宅を使用し居住していくうえで、必要な修繕を行う義務があります。ただし、借主の故意・過失、通常の使用方法に反する使用など、借主の責任によって必要となった修繕は、借主の負担となります。
| (注)必要な修繕・・・ |
借主が通常の使用に支障をきたさないための修繕
|
(2) 小規模な修繕の特約
・小規模な修繕については、貸主と借主の合意により、借主が自らの費用負担で行うことができるという特約を定めることができます。
・小規模な修繕の特約は、借主にとって都合がよいように、本来貸主に課されている修繕義務を免除する一方で、貸主の承諾を得なくても修繕できるように、借主に自己の費用負担で修繕を行う「権利」を与えたものであると解釈されています。修繕を行うかどうかは借主の自由であり、借主は修繕義務を負うわけではありません。
| (注)小規模な修繕とは・・・ |
電球や蛍光灯、給水栓、排水栓の取替えなど、比較的費用が軽微な修繕
|
(3) 修繕等の連絡
・入居期間中の修繕は、貸主が行うのが原則ですから、修繕が必要となった時は、すぐに連絡を取る必要があります。賃貸住宅紛争防止条例では、その連絡先を説明するよう、宅地建物取引業者に求めています。
1 契約から入居前・・・本文 P.22
(1) 事前説明はわかるまで確認を
・条例に基づく説明で、原状回復等の原則を理解し、契約の内容が原則どおりかどうかを確認したうえで、契約締結の判断材料とします。
(2) 特約には注意を
・特約はトラブルの原因となることが多いため、条例に基づく説明を聞き、契約書の内容をきちんと理解し、納得したうえで契約を締結することが大切です。
・特約がトラブルの原因となった場合は、それが有効か無効かは、最終的には、裁判によって判断されます。
(3) 入居時の物件確認はしっかりと
・退去時のトラブルを防ぐには、入居当初に物件状況の確認をしておくことが大切です。後で比較できるよう「確認書」を作成しておくとよいでしょう。
2 入居中・・・本文 P.30
(1) 修繕等の連絡はこまめに
・修繕が必要となった場合には、まず貸主や管理会社に連絡し、早めに対応しましょう。
(2) 入居中のマナーを守り快適に
・退去時の原状回復のトラブルを未然に防ぐためには、入居者自身がマナーを守りましょう。
3 退去時・・・本文 P.32
(1) 退去予告は何日前?契約書で確認を
・契約書を確認し、記載されている退去の予告期限までに、貸主に申入れをしましょう。
(2) 明渡しは、きれいに!大家さんに迷惑をかけないで
・自分が持ち込んだ荷物はすべて出して、きれいに清掃してから明渡しをしましょう。
(3) 退去時の物件確認もしっかりと
・入居時にチェックした「確認書」と比較して損耗等の状況を確認しましょう。
|
IV トラブルになってしまったら・・・本文 P.34
|
東京都の相談窓口、司法手続、民間の紛争解決機関や相談窓口の紹介
・東京における住宅の賃貸借に係る紛争の防止に関する条例(条文)
・東京における住宅の賃貸借に係る紛争の防止に関する条例施行規則(条文)
・入退去時の物件状況及び原状回復確認リスト(例)
・重要事項説明書
・賃貸住宅標準契約書(改訂版)
・東京都の相談窓口一覧
▲このページの頭へ