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「不動産取引の手引き」8 引渡し後に不具合・欠陥が…

最終更新日:平成28(2016)年4月1日

売買の目的物に「隠れた瑕疵(かし)」がある場合には、買主は売主に対して契約の解除や損害賠償の請求ができます。

1 瑕疵とはどんなこと

土地・建物として通常有すべき品質・性能に欠けるところがあるか、又は当事者が表示した品質・性能が備わっていないことをいいます。例えば、建物が雨漏りした場合、通常有すべき品質・性能に欠けることになり「瑕疵」があることになります。

(1)「隠れた瑕疵」とは

買主が瑕疵を知らず又は知り得なかった瑕疵をいいます。
売主より告げられた瑕疵、知っている瑕疵、普通の注意をしていれば知り得た瑕疵は「隠れたる瑕疵」にはあたりません。例えば、売主より雨漏りすることを告げられて購入した場合は、当該雨漏りは事前に知らされていますので「隠れた瑕疵」にはあたらず、瑕疵であっても瑕疵担保責任は問えないことになります。
なお、売主の責任は過失がなくても負わなければならない無過失責任です。

(2)瑕疵担保責任を追求するには

売主に瑕疵担保責任を追求するには①売買の目的物に瑕疵があり、②当該瑕疵が「隠れたもの」であり、③「瑕疵」は契約締結時に存在していたことが必要です。つまり、引渡し後に発生原因のある後発的な瑕疵や耐用年数切れ等については、瑕疵担保責任は問えないことになります。

(3)何ができるのか

  1. ○契約の目的を達成できない場合…契約の解除及び損害賠償の請求ができます。
  2. ○その他の場合…損害賠償の請求ができます。

2 法律が規定する「瑕疵担保責任」

民法
  • ・契約の解除又は損害賠償の請求は、買主が「隠れた瑕疵」の事実を知ってから1年以内にする必要があります。
  • ・売主は、瑕疵担保責任を負わない旨の特約をしても、知っていて告げなかった事実については責任を免れることはできません。
宅地建物取引業法
  • ・宅建業者が売主の場合、その目的物の瑕疵担保責任の期間について、引渡しの日から2年以上となる特約をする場合を除き、民法に規定するものより買主に不利となる特約をすることはできません。
    例えば、瑕疵担保責任の期間を引渡しの日から1年とする特約をつけた場合、この特約は無効となります。
住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)
  • ・新築住宅の場合、売主は、引渡しの日から10年間、住宅の「基本構造部分」について、瑕疵担保責任を負うことが義務付けられています。
    基本構造部分とは、「住宅の構造耐力上主要な部分又は雨水の侵入を防止する部分として政令で定めるもの」と規定されています。
  • ・新築住宅とは、「新たに建設された住宅で、まだ人の居住の用に供したことのないもの(建設工事の完了の日から起算して1年を経過したものを除く)。」と定義されています。
消費者契約法
  • ・「消費者契約」とは、消費者と事業者との間で締結される契約をいいます。
  • ・消費者契約の目的物に隠れた瑕疵があるときに、当該瑕疵により消費者に生じた損害を賠償する事業者の責任の全部を免除する条項は、無効となります。

※平成13年11月、最高裁判所は、瑕疵担保による損害賠償請求権は引渡しの日から10年で消滅時効にかかるとしました。

3 「アフターサービス」との違い

  責任の性質 責任の対象 瑕疵の種類 責任を負う期間
瑕疵担保責任 法律により売主に当然に負わされる法定責任 売買契約締結当時の目的物の瑕疵 「隠れた瑕疵」に限られる 特約がない限り、原則として買主が瑕疵を発見してから1年間
アフターサービス アフターサービス責任を負う旨の約束をしたことにより売主が負う約定責任 契約で定められた期間内に生じた瑕疵・欠陥 「隠れた瑕疵」に限定されないのが通常 部位別に1年から10年の期間が定められている

4 売主が倒産した場合の瑕疵担保責任は

購入した土地・建物に「隠れた瑕疵」があったとき、買主は売主に対し、瑕疵担保責任に基づき損害賠償の請求ができます。その「隠れた瑕疵」により、購入した目的を達することができないときには、契約を解除することができます。
しかし、買主に、売主に対する瑕疵担保責任に基づく損害賠償を請求する権利があっても、売主が倒産していたり、売主に損害金を支払う資力がないときには、賠償を受けられなかったり、受けられても損害金の一部だけだったりと、十分な被害回復が図れないことがあります。耐震偽装事件ではこの買主消費者の被害回復が問題となりました。
そこで国は、売主業者の瑕疵担保責任の履行を確実に確保するために、新築住宅について、①保証金の供託又は②責任保険契約のどちらかの措置を講ずることを義務付けた「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律」(以下、「住宅瑕疵担保履行法」といいます。)を制定しました(平成19年5月30日公布、平成21年10月1日施行)。

★新築住宅は「住宅瑕疵担保履行法」により保護される

新築住宅の売主には、瑕疵担保責任の履行確保措置が義務付けられています。

<瑕疵担保責任の履行確保措置>

「保証金の供託」又は「責任保険への加入」

  • ・対象となるのは新築住宅です。
    (平成21年10月1日以降引渡しのものが適用になります)
  • ・対象となるのは、住宅品質確保法で定める10年の瑕疵担保責任の範囲である「構造耐力上主要な部分」と「雨水の侵入を防止する部分」です。

※新築住宅とは、①建築工事の完了の日から起算して1年を経過しない住宅で、②まだ人の居住の用に供したことのないものをいいます。

※万一、売主が倒産等により瑕疵の補修ができなくなった場合でも、保証金の還付又は保険金により必要な費用が支払われます。