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「不動産取引の手引き」4 契約をする前に(4)

最終更新日:平成28(2016)年4月1日

4 知っておきたいこと

知っておきたいことや確認しておきたいことはたくさんありますが、取引しようとしている物件の所有者の確認や計画している建物を建てることができる土地なのかの確認などは、基本的な重要事項です。重要事項説明書に記載された宅地建物取引士が説明しますが、自分でも確認方法などについて知っておきましょう。

(1)登記内容の確認・調査

登記された権利関係(所有権、地上権、抵当権、地役権など)を物件所在地を管轄する登記所(法務局)の登記簿で調査しましょう。不動産の登記簿は誰でも手数料を払えば自由に見ることができます。さらに、公図(土地の地図台帳)も閲覧できますので、道路状況、隣地との関係などを確認しましょう。

注意

  1. 1. 宅建業者に登記簿謄本等を見せてもらう場合、謄本等の交付年月日を確かめましょう。古いものは、その後、記載事項が変更されていることもあります。
  2. 2. 中古住宅を購入する場合、広告などで「築○年」といっていることと登記簿の記載が一致しているかどうかを確認してもらうことも大切です。

(2)建物の建築などを規制する法令上の制限

建物を建築する場合には、建物の種類や大きさなどを制限する都市計画法・建築基準法をはじめとしてたくさんの法令があります。予定する建物を建築することができるか、物件の所在地を管轄する区市町村の建築課などに問い合せてください。

1 市街化調整区域ではないか

市街化調整区域は、市街化を抑制するための区域です。原則として、一般の住宅を建てることはできません。

2 用途地域とは何のこと

第1種低層住居専用地域など12種類の用途地域があります。用途地域により建築できる建物の種類や大きさ、その他の制限が加えられています。希望する建物が建築できるかどうかを判断する大事なチェック項目のひとつです。

3 開発許可、宅地造成工事許可などの許可が必要な土地ではないか

購入する土地が造成されていないとき、開発許可・宅地造成許可等が必要な場合があります。また、農地の取引には、農地転用許可(又は届出)が必要です。
宅建業者が許可等を受ける前に契約を締結すること等は、宅建業法で禁じられています。

4 建築確認はとられているか

まだ完成していない建売住宅やマンションを購入するときには、建築確認がとられているか確認しましょう。宅建業者が建築確認前に契約を締結すること等は、宅建業法で禁じられています。

5 都市計画道路にあたっていないか

敷地が都市計画道路内にあるところは、建築ができなかったり、将来、建物を撤去しなければならなくなるおそれがあります。

6 敷地は建築基準法に規定する道路に適法に接しているか

道路があっても必ず建物を建築できるとは限りません。建築するには、敷地が建築基準法上の道路に2m以上接していなければなりません。道路の種類やその幅員など、建築基準法の条件を満たしているかどうかよく調べましょう。

敷地が路地状部分のみによって道路に接する場合には、その路地状部分の長さ(L)により幅員(W)に制限を加えている場合があります。この路地状部分の長さに対する幅員についての制限は、地方公共団体によって異なります。
前面道路が4m未満のとき、建物を建てるとき(新築・建替え)には、建物や門・塀等は道路の中心線から2mのところまで後退しなければなりません(セットバック)。この道路は、一般に2項道路とよばれ、建築基準法が適用されるようになったときに、すでにあった4m未満の道路について、現に建物が建ち並んでいることから、建築基準法上の道路として指定されたものです。
なお、道路の反対側が川、がけ地、線路敷き等の場合は、川などの境界線から4mのところに道路境界線があるとみなされます(一方後退)。

セットバック部分は、建築対象敷地面積から除外されることに注意しましょう!!
(建ぺい率・容積率計算のうえで敷地面積に含まれません。)

(3)アスベストの使用の有無と建物の耐震について

建築物の建材に使用されたアスベスト(以下「アスベスト」又は「石綿」という。)の経年劣化や建物 解体時のアスベスト粉じんの飛散による健康被害が心配され、また、耐震偽装問題により耐震強度が不足した建物が存在することが明らかになるなど、建物の安全性に対する不安と関心が高まっています。
国は、これらの国民の不安を解消するために関連法令を改正し規制を強化するなどの各種対策を行っています。不動産取引においても、宅建業法を改正(平成18年4月24日施行)し、取引に関与する宅建業者に対して、「アスベスト調査に関する事項」と「耐震診断調査に関する事項」を重要事項として建物の購入者等に説明することを義務付けました。

①「石綿使用の調査記録の有無」の説明について

宅建業者は、売主(所有者)・管理組合(マンションの場合)等が、建物の石綿の使用の有無についての調査を行っているかどうか、その調査結果の記録があるかないかを調査し、「調査結果の記録があるときはその内容」を説明しなければなりません。
調査結果の記録がないときは、「無」と説明されますが、この場合の「無」は「石綿は使用されていない」ということではありませんので注意してください。
なお、宅建業者には、石綿使用の有無の調査の実施自体の義務はありません。

②「耐震診断の有無」の説明について

宅建業者は、売主(所有者)・管理組合(マンションの場合)等が、建物(昭和56年6月1日以降に新築工事に着手したものは除かれます)について、建築物の耐震改修促進法の技術上の指針となるべき事項に基づいて指定確認調査機関、建築士、登録住宅性能評価機関又は地方公共団体が行う耐震診断を受けているかどうかを調査し、「耐震診断の記録があるときはその内容」を説明しなければなりません。
なお、宅建業者には、耐震診断の実施自体の義務はありません。

(4)マンションを購入するときは

マンションの購入に際しては、特に、次のような点に留意して下さい。

☆入居者の評判は

住んでいる人に直接会って、住み心地や管理面等に問題がないかどうかについて聞いてみると参考になります。

☆管理規約は

マンションには、戸建住宅とは違い、多くの人が同一建物に居住するため、共同生活を円満・円滑にするために、管理組合の運営に関することや区分所有者間相互の利害調整に関するルールや使用方法などについて定めた管理規約があります。

管理規約等で確認しておくこと

★管理方式・・・・・・居住者の直接管理か管理会社への委託方式か

直接(自力管理)方式
管理組合が全ての業務を自ら担当して行う方式です。
管理費は少なくて済みますが、組合員(区分所有者)に負担がかかります。

委託方式(全部委託方式・一部委託方式)
全ての業務又は一部の業務を管理会社に委託して行わせる方式です。組合員の手間は少なくて済みますが、管理費が高くなります。委託方式の場合、委託先のマンション管理業者を確認してください。
管理が委託されているときは、重要事項説明書で商号、名称又は氏名及び住所とあわせてその者の登録番号を記載して説明することになっています。
なお、マンション管理業を営もうとする者は、国土交通省に備えるマンション管理業者登録簿に登録を受けなければ、マンション管理業を営むことはできません。

★ 管理費・修繕積立金・・・・・・前所有者の滞納金はないか

管理費・修繕積立金は、マンションを維持するために必要不可欠なものです。安ければよいというものではありません。適正な長期修繕計画がたてられているかどうかの確認も大切です。
中古の場合は、大規模修繕の予定やその負担金の有無なども確認しておく必要があります。
また、売主に管理費や修繕積立金の滞納がないか、必ず確認します。前所有者に管理費や修繕積立金の滞納があれば、管理組合はその滞納額を新所有者に対して請求することができますので、注意が必要です。

★ 駐車場、駐輪場、専用庭など

駐車場・専用庭などの使用方法・利用条件などを確認しておきます。特に駐車場についてはその使用方法等についてトラブルになることもありますので、管理規約のみならず使用細則等の関連する書面を確認しておく必要があります。

★ 使用目的・利用の制限・・・・・・事務所等の禁止、ペット飼育の禁止など

規約で、専有部分の使用方法等についての制限をすることができます。
事務所使用、動物の飼育、フローリングへの変更などについて禁止されていないか注意しましょう。
管理規約はマンションで生活するうえでの法律と考えて下さい。