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「不動産取引の手引き」4 契約をする前に(1)

最終更新日:平成28(2016)年4月1日

1 宅建業者が禁止されている行為

宅建業法は消費者を保護するために、宅建業者に対して、次のような行為をすることを禁止しています。

【禁止行為】

  1. 1. 手付について信用の供与により契約の締結を誘引する行為
    ①手付金を貸付けることで契約を誘引すること
    ②手付金を分割又は後払いにすることで契約を誘引すること
  2. 2. 断定的判断を提供する行為
    ①利益を生ずることが確実であると誤解させる言動
    ②将来の環境又は交通その他の利便について誤解させる言動
  3. 3. 威迫により契約を締結させること
  4. 4. 契約を締結するかどうかを判断させるために必要な時間を与えることを拒むこと
  5. 5. 勧誘に先立って宅建業者の名称・勧誘者の氏名・勧誘の目的を告げずに、勧誘を行うこと
  6. 6. 契約を締結しない・勧誘を受けることを希望しない旨の意思を表示したにもかかわらず、勧誘を継続すること。
  7. 7. 迷惑を覚えさせるような時間に電話し、又は訪問すること
  8. 8. 深夜又は長時間の勧誘その他の私生活又は業務の平穏を害するような方法により困惑させること
  9. 9. 契約の申し込みの撤回に際し、受領している「預り金」の返還を拒むこと

(1)契約は手付金の準備ができてから(前記禁止行為1)

手付の額に決まりはありません(ただし、宅建業者が自ら売主の場合は手付の額は売買代金の20%が上限として制限されています。)。契約をし易くするために10万円から50万円程度の少額の手付金で行うことも少なくありませんが、売買代金の5%から10%で額の手付金が授受されることが一般的です。営業担当者から「手付金の支払は後日で構いません…」(手付の後払い)、「手付金200万円のうち今日は10万円だけで構いません…」(手付の分割払い)などと言われ、手付金の準備ができていないにもかかわらず、説得に負けて契約を締結して、後日、契約の解除をめぐりトラブルになることがあります。手付金の準備もできていないのに“急がせて”契約を締結させるとトラブルになる可能性が高いことから、①手付の後払い、②手付の分割払いにより契約を締結させることは「信用の供与による契約の誘因行為」に当たるとして禁止しています(前記禁止行為1)。手付金の準備もできていない段階で契約を締結することはしないようにしましょう。

(2)悪質な勧誘に対する対処(前記禁止行為5、6、7)

投資用マンション等の販売において、一部の宅建業者の悪質・強引な営業による被害相談が全国の消費生活センター等に多く寄せられ、問題になっています。そこで、悪質な勧誘行為による消費者被害の防止のために宅建業法施行規則の一部が改正され、前記の禁止行為5、6、7が追加されました。契約をする意思がないとき、勧誘を受ける意思がないときは「必要ありません。電話しないで下さい。」などと明確に断ることが大事です。その際に「断る理由」を言う必要はありません。執拗な勧誘で電話が切れない場合は、「会社名、住所、電話番号、名前、加盟業界団体、免許証番号を教えてください。」と聞いて、メモを取ってください。毅然と断る勇気を持つことが大切です。

<悪質な勧誘に対する対応のポイント>
○すぐに、明確・簡潔に断る ― 話を聞かないこと
○断る理由は絶対に言わない ― 会話をしないこと
○会社名・名前等を聞く ― メモをとること

よくある質問

悪質な勧誘についてのQ&A

 区分所有マンションの取得を考えています。マンション分譲の説明会に行き、不動産業者のモデルルームで担当社員から説明を受けました。後日、正式に断ったのですが、その後も再三再四、他の不動産購入の勧誘がきて困っています。勧誘がくるたび断っているのですが、業者は聞き入れてくれません。どうしたらよいのでしょうか。

 断っているにも関わらず、勧誘を続けることは宅地建物取引業法で禁止されています。明確に断っているのにも関わらず、勧誘が続いているのであれば、宅地建物取引業法を所管する免許行政庁までご相談ください。

(3)申込みのキャンセルと申込金(預り金)(前記禁止行為9)

物件を見学して気に入ると売主業者や媒介(仲介)から購入申込書とともに申込金の支払を求められることがあります。申込みをキャンセルしたときに、申込金の返還をめぐりトラブルになることがありますが、申込金を預かった宅建業者は、申込者が申込みをキャンセルしたとき、当該申込金(「預り金」)の返還を拒むことを禁止しています(前記禁止行為9)。
したがって、申込金は返してもらえますが、申込金を支払うときは、キャンセル(撤回)の際、返してもらえることを確認しておきましょう。

よくある質問

申込金返還についてのQ&A

 売買契約前に申込書に氏名住所などを記入し、申込金と一緒に売主宅建業者に渡しました。その後、申込みをキャンセルする場合に、申込金は返還されるのですか。

 一般的に申込金は契約成立後に手付金等に充当されるものです。契約前の段階でキャンセルする場合は正式に契約したのではないため、原則として返還されるものです。