○地震に関する地域危険度測定調査の沿革

 東京都では、東京都震災対策条例(当時は震災予防条例)に基づき、昭和50 年11 月に第1回(区部)の地域危険度を公表しました。その後、市街地の変化を表わす建物などの最新データや新たな知見を取入れ、概ね5年ごとに調査を行っており、今回は第7回目の公表です。
 今回の測定調査では、都内の市街化区域の5,133町丁目について、各地域における地震に関する危険性を、建物の倒壊及び火災について測定しました。
 さらに第7回調査から、災害時の避難や消火・救援活動のしやすさ(困難さ)を加味するため、「災害時活動困難度」(災害時の活動を支える道路等の基盤状況を評価する指標)を考慮した危険度の測定を始めました。
 この調査を進めるに当たっては、防災分野の専門家などで構成する「地域危険度測定調査委員会」を設置し、より精度の高い新たな測定方法に改善を図るなど、調査全般にわたり検討してきました。

■1 あなたの住んでいるまちは大丈夫?
■2 地域危険度とは
■3 地震の揺れによる建物の倒壊
■4 地震の揺れによる火災の発生と延焼
■5 まちの総合的な危険度
■6 基盤の整備状況による災害時の活動困難度を考慮した危険度
■7 災害時活動困難度を考慮したまちの総合的な危険度
■8 地域危険度に関するQ&A

1 あなたの住んでいるまちは大丈夫?

○地震によるまちの危険性を測定します

 日本は、地震の発生が世界の約1割を占める世界有数の地震国です。
 南関東におけるマグニチュード7程度の大地震の発生確率は、今後30年以内に70%程度とされています。
 大きな地震が起こった際、あなたのまちにはどのような危険があるのでしょうか?
 地震が起こると、揺れによる建物の倒壊や火災の発生による延焼が大きな被害を引き起こす可能性があります
 本調査では、お住まいの町丁目ごとに、地震による危険性(地域危険度)を測定しました。

○地域危険度はこのように活用できます

 災害に強い都市づくりを進めるためには、道路や公園などの整備や建物の不燃化などの防災都市づくりを行うとともに、都民一人ひとりが日頃から十分な備えと対策を講じることが重要です。
 地域危険度は、防災都市づくりを進める地域の選定に利用するとともに、都民の皆さんがそれぞれのまちで地震への備えを進めるためにご活用ください。

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2 地域危険度とは

○地域危険度とは

 本調査では、以下の危険性を町丁目ごとに測定しています。第7回調査から、災害時の避難や消火・救援活動のしやすさ(困難さ)を加味するため、「災害時活動困難度」(災害時の活動を支える道路等の基盤状況を評価する指標)を考慮した危険度の測定を始めました。

●建物倒壊危険度 (建物倒壊の危険性)
●火災危険度 (火災の発生による延焼の危険性)
●総合危険度 (建物倒壊や延焼の危険性)
●「災害時活動困難度」を考慮した危険度【新規】
 (災害時の避難や消火・救助等の活動のしやすさ(困難さ)を考慮した危険性)

なお、地域危険度はそれぞれの危険度について、町丁目ごとの危険性の度合いを5つのランクに分けて、以下ように相対的に評価しています。

○どのような地震を想定しているのか

 地震はいつ、どこで起きるか分かりません。そこで本調査では、特定の地震を想定するのではなく、全ての地域において、地震の強さなどを同じ条件で設定し危険性を測定しています。

○災害時活動困難度とは

 地震により建物が倒壊したり火災が発生したりした時には、危険地域からの避難や、消火・救援活動のしやすさ(困難さ)が、その後の被害の大きさに影響します。このような活動のしやすさ(困難さ)を、地域の道路網の稠密さや幅員が広い道路の多さなど、道路基盤の整備状況から評価した指標が「災害時活動困難度」です。

○どのように地域の危険性を測るのか

 本調査では、木造、鉄筋コンクリート造などの建物構造、建築年代、階数などの種別ごとの棟数、建物用途ごとの火気器具や電熱器具の使用状況、道路や公園の整備状況などのデータをもとに、科学的に地震による危険性を測定しています(測定フロー参照)。
 原則として、区部及び多摩地域の市街化区域を対象に、町丁目を単位として測定しています。

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3 地震の揺れによる建物の倒壊

 地震の揺れによって建物が壊れたり傾いたりする危険性の度合いを測定したものが「建物倒壊危険度」です。
 建物倒壊危険度は、地域の建物の種別と地盤分類により測定しています。

○地盤の特性

 東京の地盤は、山地・丘陵地、山の手の台地と、下町の沖積低地、そして台地を刻む谷からできている谷底低地に分類されます。
 沖積低地や谷底低地は、地震が起きた場合に揺れが増幅されやすいため、比較的被害が発生しやすい地域です。

○建物の特性

 建物については、木造、鉄筋コンクリート造などの構造、建築年代、階数別などに分類し、棟数を集計しています。
 建物倒壊の危険性は、建物の耐震性が低いほど、建築年代が古いほど、高くなります。

○建物倒壊危険度の測定方法

 分類ごとに集計した建物量に地盤分類ごとの建物が壊れる割合を掛け合わせることにより測定しています。
 建物が壊れる割合は、阪神・淡路大震災などの過去の地震被害の調査事例などをもとに、地盤状況や建物種別ごとに設定しました。
 また、沖積低地での地盤の液状化や丘陵地での大規模な造成地の影響も考慮しました。

○建物倒壊危険度の測定結果

 危険度の高い地域は、沖積低地や谷底低地に分類される地盤上にあり、古い木造や軽量鉄骨造の建物が密集している荒川・隅田川沿いのいわゆる下町地域一帯に分布しています。具体的には、足立区南部から荒川区、台東区東部、葛飾区西部、墨田区、江東区北部、江戸川区北西部に広がる地域で危険度が高くなっています。
 一方、多摩地域は、区部に比べると危険度が低くなっています。

○災害に強い都市を目指して

 建物倒壊危険度の高い地域では、古い建物の倒壊が懸念されることから、道路や公園などの整備を進めつつ、古い建物の建替えを進める必要があります。
 また、耐震診断を行い、必要に応じて補強するなどの対策を講じることも重要です。

建物倒壊危険度ランク図

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■建物倒壊危険度ランク上位100町丁目(EXCEL 31KB)

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4 地震の揺れによる火災の発生と延焼

 地震が起こると、地震の揺れで発生した火災の延焼により、広い地域で被害を受ける危険性があります。その危険性の度合いを測定したものが「火災危険度」です。
 火災危険度は、出火の危険性と延焼の危険性をもとに測定しています。

○出火の危険性

 世帯や用途別の事業所の分布状況や火気器具等の使用状況を把握するとともに、火気器具、電気器具、化学薬品などの出火要因別の出火率を算定し、これらを掛け合わせることにより測定しました。

○延焼の危険性

 延焼の危険性は、建物の構造や建物の間隔などから測定しています。
広幅員道路や公園等が少なく、木造建物などが密集している地域では危険性が高く、また、周辺にも同様の特徴を有する町丁目がある場合には、さらに危険性が高くなります。

○火災危険度の測定方法

 火災危険度は、出火の危険性と延焼の危険性を掛け合わせることにより測定しています。
 また、周辺町丁目からの延焼の危険性も足し合わせて測定しています。

○火災危険度の測定結果

 危険度の高い地域は、木造建物が密集している地域に多く、区部の環状7号線沿いにドーナツ状に分布するとともに、JR中央線沿線(区部)にも分布しています。具体的には、江東区北部から墨田区北部、葛飾区西部、足立区南部、荒川区、北区、台東区東部に広がる地域で、また品川区南西部・大田区に広がる地域でも危険性が高くなっています。

○災害に強い都市を目指して

 火災危険度の高い地域では、木造建物を鉄筋コンクリート造に建替えるなど建物の不燃化を進めるとともに、延焼を防ぐ広幅員道路や公園などの整備が必要です。
 また、住民による初期消火などの出火対策も重また、住民による初期消火などの出火対策も重要です。

火災危険度ランク図

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■火災危険度ランク上位100町丁目(EXCEL 31KB)

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5 まちの総合的な危険度

 皆さんのまちの地震の危険性を分かりやすく示すために、地震の揺れによる建物倒壊や火災の危険性を1つの指標にまとめたものが「総合危険度」です。
 まちの地震の揺れによる被害や、火災被害の大きさを知るという視点から、防災都市づくりの指標となるとともに都民がまちづくりを考える際に、また日頃から地震に備える際に活用されることを想定しています。

○総合危険度の測定方法

 総合危険度は、町丁目ごとに、建物倒壊危険度と火災危険度の順位(1〜5,133位)の数字を合算し、その数値に基づき順位付けを行い、評価しました。

○総合危険度の測定結果

 総合危険度の高い地域は、建物倒壊危険度、火災危険度ともに高かった荒川・隅田川沿いのいわゆる下町地域一帯に分布しています。具体的には、足立区南部から荒川区、台東区東部、葛飾区西部、墨田区、江東区北部、江戸川区北部に広がる地域で、また、品川区南西部や大田区に広がる地域でも危険度が高くなっています。

総合危険度ランク図

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■総合危険度ランク上位100町丁目(EXCEL 31KB)

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6 基盤の整備状況による災害時の活動困難度を考慮した危険度

 地震により建物が倒壊したり火災が発生したりした時には、危険地域からの避難や消火・救助活動のしやすさ(困難さ)が、その後の被害の大きさに影響します。このような活動のしやすさ(困難さ)を、地域の道路網の稠密さや幅員が広い道路の多さなど、道路基盤の整備状況から評価した指標が「災害時活動困難度」です。
 従来の建物倒壊危険度・火災危険度・総合危険度を、新たに災害時活動困難度を踏まえて測定し直すことにより、災害時の活動し易さを加味した地域の危険度を評価しています。

○災害時活動困難度の測定方法

 幅員6m以上の道路まで到達するのにかかる平均的な時間と、幅員4m以上の道路から容易にアクセスできない範囲が町丁目面積に占める割合を掛け合わせた値に基づき測定しました。

○災害時活動困難度の測定結果

 災害時活動困難度は、全体的な傾向として多摩地域で高く、台東区や千代田区東部、中央区北部などの都心部で低くなっています。

■災害時活動困難度(PDF 443KB)

○災害時活動困難度を考慮した建物倒壊危険度と災害時活動困難度を考慮した火災危険度

〔測定方法〕

 町丁目ごとに、建物倒壊棟数または全焼棟数を面積で割り、災害時活動困難度を掛け合わせた値として測定しました。

〔測定結果〕

 災害時活動困難度を考慮した建物倒壊危険度・火災危険度は、木造建物が密集し、かつ道路基盤装備が進んでいない地域で高くなり、環状七号線沿いの下町地域から山の手地域にかけてドーナツ状に分布しています。

■災害時活動困難度を考慮した建物倒壊危険度ランク図(PDF 287KB)

■災害時活動困難度を考慮した火災危険度ランク図(PDF 888KB)

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7 災害時活動困難度を考慮したまちの総合的な危険度

 皆さんのまちの地震の危険性を分かりやすく示すために、地震の揺れによる建物倒壊や火災の危険性に、避難や消火・救助など、各種の災害対応活動の困難さを加味して一つの指標にまとめたものが「災害時活動困難度を考慮した総合危険度」です。
 災害時の避難や消火・救助活動などを支援する空間として、道路が重要な役割を果たすという視点から、防災都市づくりや道路整備の指標となるとともに、都民がまちの地震災害への対応のし易さ・困難さを考え、地震に対する備えに活用されることを想定しています。

○災害時活動困難度を考慮した総合危険度の測定方法

 災害時活動困難度を考慮した総合危険度は、町丁目ごとに、地震の揺れによる建物の倒壊や火災の危険性の度合いに、避難や消火・救助など、各種の災害対応活動の困難さを加味した「災害時活動困難度を考慮した建物倒壊危険度」と「災害時活動困難度を考慮した火災危険度」の順位の数字を合算し、その数値に基づき順位付けを行い、評価しました。

○災害時活動困難度を考慮した総合危険度の測定結果

 災害時活動困難度を考慮した総合危険度の高い地域は、建物倒壊危険度、火災危険度ともに高かった荒川・隅田川沿いのいわゆる下町地域一帯に分布しています。
 具体的には、足立区から荒川区、葛飾区西部、墨田区、江東区北部に広がる地域で、また、品川区南西部や北区北部から豊島区北部に広がる地域でも危険度が高くなっています。
 さらに、道路整備状況を考慮した結果、木造建物が密集している環状七号線沿いの中野区や杉並区にかけても、危険度の高い地域が分布しています。

○災害に強い都市を目指して

 災害時活動困難度を考慮した総合危険度の高い地域では、建物の建替えによる耐震性の向上や不燃化をはかるとともに、道路、公園などの整備を進めるなど、周辺町丁目も含めて、様々な震災対策を重層的、総合的に進めていく必要があります。
 なかでも、災害発生時の避難、消火、救助・救援活動を支える道路の整備は重要です。
 また、いつ起こるかも知れない地震に対しては日頃からのまちづくりや対策と備えが重要です。

災害時活動困難度を考慮した危険度ランク図

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■災害時活動困難度を考慮した総合危険度ランク上位100町丁目(EXCEL 31KB)

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8 地域危険度に関するQ&A

 地域危険度は、東京都のまちづくりにどのように活用されるのですか?

 東京都では、地震被害から都民の生命と財産を守るために防災都市づくりを積極的に進めており、その一環として、地域危険度を測定し公表しています。
 地域危険度は、「防災都市づくり推進計画」や延焼遮断帯となる沿道一体整備事業、建物の不燃化などを進める木造住宅密集地域整備事業などの各種事業を実施する地域の選定にも活用しています。

 東京都の「被害想定」とは何が違うのですか?

 平成24年4月に公表した「首都直下地震等による東京の被害想定」は、発生する確率が高い特定の地震を想定していることから、想定した震源地から離れると揺れが少ない等、影響を受ける地域やその程度が限定的なものとなっています。一方、地域危険度は、都内の町丁目の地震に対する危険性を比較するため、特定の地震を想定するのではなく、全ての町丁目直下の地盤で同じ強さの揺れが生じた場合の危険性を測定している点が大きく異なります。

 建物倒壊危険度が下町地域で高いのはなぜですか?

 いわゆる下町地域(台東、墨田、江東、荒川区など)には、地震の揺れを増幅する軟らかい地盤(沖積低地)が多いことに加え、市街化が早くから進み、古い木造建物が多く存在しています。そのため建物倒壊危険度が高い町丁目が多くなっています。

 建物倒壊危険度から見た場合、東京のまちは安全になっていますか?

 耐震性の高い建物への建替えや、まちづくりが進んだことにより、建物倒壊危険度は下がっています。

 火災危険度が高い地域の特徴は何ですか?

 火災危険度の高い地域は、火を扱う店舗、工場等が多いことや、老朽化した木造建物が密集していること、道路や公園などが少ないことなどの特徴が見られます。

 火災危険度から見た場合、東京のまちは安全になっていますか?

 広幅員道路や公園などの整備が進んだことにより、延焼の危険性は下がりましたが、一方で世帯数の増加に伴い火気を扱う場所が増える傾向にあり、出火の危険性は上がっています。

 災害時活動困難度を考慮すると、危険度はどのように変わりますか?

 建物倒壊危険度や火災危険度では危険度ランクがあまり高くない地域でも、道路整備が進んでいない場合には、災害時に活動し難い(災害時活動困難度が大きい)ため、危険度ランクが高くなります。
具体的には、杉並区、中野区周辺などの火災危険度です。

 今回調査の結果、前回調査(5年前)より危険度ランクが大きく下がった地域がありますが、その理由はなんですか?

 町丁目ごとにランク変動の理由は異なりますが、今回の調査では、
・市街地再開発事業などによる災害に強い市街地の整備
・街路事業による延焼遮断帯の整備
・建物の建替えによる不燃化の促進
などによる市街地の改善が防災性の向上に大きく貢献していることが明らかになりました。
 例えば、下図の豊島区東池袋四、五丁目地区では、道路整備と一体的に進める沿道まちづくり事業により、木造建物の割合が下がり、前回(第6回)調査時点と比較し、火災危険度ランクが東池袋四丁目では3から2、東池袋五丁目では5から4へ改善されました。

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お問い合わせ先
市街地整備部 防災都市づくり課
電話 03-5320-5003

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