9月1日の東京都総合防災訓練で「横田基地」と「赤坂プレスセンター」を訓練会場として使用しました
「防災の日」の9月1日(土)、平成13年度東京都総合防災訓練「ビッグレスキュー東京2001」を実施しました。
訓練は、多摩地区でマグニチュード7.2の直下型地震が発生したとの想定で行い、JR八王子駅前や調布基地跡地などのほか、米軍基地である横田基地や赤坂プレスセンターなど、計7会場を訓練会場として使用しました。防災訓練で米軍基地を使用するのは今回が初めてです。
横田基地会場でマーク・R・ザムゾウ司令官の出迎えを受ける石原知事
横田基地会場で訓練状況を視察する石原知事とマーク・R・ザムゾウ司令官
横田基地では、ヘリコプターや自衛隊の大型輸送機などを使って、他県からの援助隊や救急車両を都内の被災現場へ搬送する訓練や、都内の疾病者を他県へ搬送する訓練など、人員、物資の広域輸送拠点としての訓練を実施しました。
赤坂プレスセンターでは、ヘリポートを利用して、疾病者を都心の医療機関へ搬送する訓練を行いました。
石原知事は、訓練全体を講評し、「多岐にわたり市民参加が得られた。皆さんが自分の街を守るという自覚でやってくれたことが本当にうれしい。昔の懐かしい日本人を見る思いがした」「敗戦以来、初めて日本人が横田基地を使った。日米関係のためにもいい実験をやったと思う」などと述べました。
横田基地会場で訓練状況を視察する石原知事(中央やや右)とマーク・R・ザムゾウ司令官(右端)
横田基地のマーク・R・ザムゾウ司令官は、「米軍、自衛隊、民間奉仕団体のすばらしい統合を見ました。この演習は大きな自然災害が起こった際に適切に対応できることを示すものです。私たちは日本政府のゲストとして責任を真剣に受け止めています」などと話しました。
調布基地跡地会場で防災訓練を視察する小泉首相と石原知事
小泉首相は、「一連の訓練を見て、とても心強い。日頃の準備が大切だ。地域の多数の市民が参加しているのはとても意義深い」などとコメントしました。
平成13年第三回都議会定例会 知事所信表明 (抜粋) 平成13年9月19日
(防災対策の充実)
伊豆諸島ばかりでなく、東京は、いつ直下型の大地震に襲われても不思議でない危険な状況の中にあります。災害への対応力を高め、住民の防災意識を喚起することは、行政の重要な役割であります。万一の際、十全の行動がとれるかどうかは、日頃の備えにかかっており、東京都は、防災訓練の充実に一貫して取り組んでおります。
昨年の9月には、自衛隊の本格的な参加を得た極めて実践的な防災訓練を行い、今年7月には、災害時の指令基地となる各機関の本部運営訓練をかつてない規模で実施いたしました。こうした訓練は、大きな成果を上げておりますが、ITを活用した情報の共有化、区市町村との連携などの点で、今後取り組むべき課題も明らかになっております。
今月1日、多摩地域を中心に実施した総合防災訓練「ビッグレスキュー東京2001」では、こうした点を補強するため、新たな視点として、地元自治体との連携や地域住民の訓練活動を充実いたしました。
また、今回は、米軍の協力を得て、横田飛行場と赤坂プレスセンターの2か所の米軍基地を全国で初めて防災訓練に使用することができました。横田飛行場は、羽田空港と並ぶ広域輸送拠点として非常に重要な役割を果たすことが、訓練を通じて実証されたと思います。
災害時の被害を最小限に抑えるためには、横田飛行場をはじめとする広大な米軍基地を活用することが、我が国にとって是非とも必要であります。国に対しては、国策として、米軍基地を災害時の防災活動拠点に組み込むことを強く建言いたします。